2024年2月7日、令和5年度 串木野商工会議所 部会交流会「4部合同視察研究会」に参加してきました。
福岡市みやま市バイオマスセンター「ルフラン」視察です。
廃校利用の素晴らしい事例を拝見できました。
みやま市バイオマスセンター「ルフラン」とは
みやま市バイオマスセンター『ルフラン』は、2016年に廃校となった旧山川南部小学校の校庭だった場所に建てられたごみ処理施設です。
従来型のごみ処理施設とは違い、生ごみなどをバイオマス資源として循環されています。
1日当たり最大、家庭、事業用生ごみ10トン、し尿42トン、浄化槽汚泥78トンの合計130トンを受け入れ、分解し、メタンガスを発生させます。
派生したメタンガスを利用してコジェネ発電を行い、施設内の電力と温水として活用されています。
発酵後の液体も液肥『みのるん』として、地域の農家や家庭菜園を楽しむ市民に無料で提供されて、田んぼや畑の優れた有機質の肥料として活用しています。
液肥で育てた地元産の農産物が学校給食や家庭の食卓に並び、資源循環の環(わ)を織りなしています。
「ルフラン」は、フランス語で「refrain=繰り返し」を意味する言葉です。
まさにその名に恥じない「資源循環の環」を拝見できました。
綺麗で臭いもない設備、とことん無駄のでない施設
訪問させていただいて真っ先に感じたのが、生ごみや、し尿を扱っているのに、きれいで臭いもない設備でした。
バスから町中が見えたのですが、ごみの分別や回収に町ぐるみで取り組まれていることが一目でわかりました。
前処理し、発酵させてメタンガスを発生させ、発電機を動かし、電力を生み出されています。
生み出した電力は、施設内の電力として使用され、温水も桶の洗浄に利用されたりと本当に無駄がありません。
メタンガスを生み出したあとの消化液も液肥として、周辺の方々に無料で配布されるそうで、自由に汲みに来れるスタンドもありました。
沈殿した生ごみなどの絞りカスもメタン発酵槽に戻され再利用されます。
3年物のうんこの絞りカスも沈殿しているのだと思います。
とにかく、とことん無駄のでない施設でした。
廃校を利用したカフェ、食品加工室、シェアオフィス、コワーキングスペース
バイオマスセンター「ルフラン」は、旧山川南部小学校のグラウンド跡地に作られています。
校舎部分を再利用して、カフェ、食品加工室、シェアオフィス、コワーキングスペースなどが運用されています。
保健室と校長室を改装したルフランカフェ。日替わりでお店が変わります。
保健室と校長室を改装したルフランカフェは、日替わりでお店が変わります。
日替わり店長さんによる個性豊かなお店とメニューが楽しめます。
「飲食店を開業してみたい!」「得意料理をふるまいたい!」という方たちが利用されていて、実際に店舗を構えられた方たちもいるそうです。
利用料は、1時間=220円と格安です。
放送室を回収した食品加工室。ものすごい稼働率で、ルフラン食品加工室グループを作りスマホのアプリでスケジュールを組まれています。
衛生面の理由で中は見学できなかったのですが、放送室を回収した食品加工室もあります。
食品衛生管理HACCPに対応した加工室で、個人では導入が難しい高機能な調理器具を揃えた、共同利用の食品加工室です。
お弁当、お惣菜、ジャム、おやつ、ドレッシング、パンなどを作ることができます。
利用料は、1時間=220円と格安です。
加工したものは、チャレンジカフェ内の直売スペースでも販売が可能です。
教室を流用したシェアオフィス、コワーキングスペース。格安で素晴らしい環境が手に入ります。
教室を流用したシェアオフィスやコワーキングスペースもあります。
インターネット環境やコピー機など必要な物は揃っていて、使用料金も、2200円/月、220円/時間と格安で、素晴らしい環境が手に入ります。
登記もできるそうなので、こちらのスペースで起業も可能です。
ゴミの処理を最優先にした施設運用。それが支える施設の賑わい
施設や運用状況の説明もしてくださいました。
収支なども説明して下さったのですが、ゴミの処理を最優先にした施設運用をされているので、収支は赤字でも目標は達成されていると評価されているのが印象的でした、
スライドに一瞬映し出されただけなので、詳しい数字は覚えていないのですが、収益は140万ほどでした。
案内して下さったのは、地域起こし協力隊の方でしたが、その方の給料や施設の光熱費を考えると赤字だと思います。
発電の方も、700万円分ほどの電力を生み出しているそうですが、施設の運用に電力は回していて、現在はまだ足りていないそうです。
ルフランが利益を上げるのは簡単で施設の利用料を上げればいいと思うのですが、市の方も収益に関する質問で答えていらっしゃいましたが、ゴミの処理を最優先にした施設運用されていて、そちらを充分な実績として評価されているので、利益を気にしない施設利用料金を案内できているのだと思います。
活用されている地域拠点
加工室の稼働率は、年間300日を越えているそうです。
私のクライアントさんにも、6次産業をされている方がたくさんいて、地域の施設を利用されていたのですが、経費を考えて自宅に製造設備を揃えた方もいました。
いまは鹿児島県内のスーパーなどで良く商品をみかけるようになりました。
実際に商品をコストを抑えて開発や製造できる場所があり、その商品を実際に手に取ってもらえる場所、賞味していただける場所がある。
それも格安で利用できるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。
当初はバイオマスセンター「ルフラン」の計画だけあり、校舎も地域を活性化する拠点として活用できないかという意見が、その地域にいきる方たちの間から上がり、実現したそうです。
我が町、いちき串木野市も令和8年に向けて小学校・中学校の統廃合が進みます。
今回の研修旅行は、コンセプトを大切にして、ぶれない評価のもと、きちんと活用されている地域拠点の姿を拝見することが出来て、とてもいい経験になりました。
大学・専門学校と6年間を過ごした福岡。20数年ぶりに来れました。
福岡は、大学・専門学校と6年間過ごした県でした。
移動などで立ち寄ることはあったのですが、泊まったりと長く滞在したのは、20数年ぶりでした。
宿泊したのは、ワシントンホテル。
隣接したキャナルシティには、映画を見に毎週のように通っていました。
今回も映画を見たり、THE GUNDAM BASE FUKUOKAに行ったりと、楽しい時間を過ごせました。
自分のお土産用に、HG 1/144 ガンダムベース福岡限定 ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ(デストロイモード) (最終決戦仕様)Ver.GSFも購入しました。
道中のバス内も、知り合いの方たちのそばの席だったので楽しかったです。
バスガイドの方も、多彩な話題で楽しませていただきました。
食事も美味しく、有意義な楽しい2日間を過ごせました。